衣川晃弘大先生「21世紀を幸せに生きる」第12巻より
2020年(令和2年)4月25日 ベストグループ中国・四国一日研修 ①
皆様、おはようございます。物事を成すには、一朝一夕ではできないのです。一つのことをやり遂げるには、強い信念が必要です。私は、四十八歳の二月に初めてインドへ行きました。
インドの愛する御方(おかた)に一度お会いしただけで「この御方は偉大なる存在だ」と信じました。そして、インドにたった三日間滞在しただけで「僕はこの御方に人生を捧げる」と決意したのです。
四十八歳の八月に、八十数名の方をインドへお連れしました。当時、インドではエボラ出血熱が流行っていました。当時は、エボラ出血熱は死に至るほどの、大変な病気でした。
妻から「危ないからインドに行かないで」と言われましたが、「僕は偉大なる存在を信じているから、怖くない」と言って、インドへ行きました。そして、お連れした八十数名全員が、エボラ出血熱にかかることもなく、無事に日本に帰ってきました。
「信じる」ということは、とても凄い力なのです。それから一年後に「マザー・テレサに一度会いたい」と思い、カルカッタにある「死を待つ人々の家」を訪れました。当時、インドではハンセン病が流行っていました。
ハンセン病は人に伝染すると言われていました。しかし、マザー・テレサは「偉大なる存在を信じる者は、病気はうつりません」と仰いました。私は、その言葉に惹かれたのです。
「死を待つ人々の家」に行くと、そこにはたくさんのシスターたちがいましたが、誰も病気がうつっていないのです。しかし私は、怖くて病気の方々の体に触れられませんでした。
周りを見ると、日本から来た若者たちが「おじいちゃん、おばあちゃん」と言って、病気の方を平気で抱きしめていたのです。その日の夜、私は外で、一人で泣いていました。
その時、ある日本人のシスターが「どうして泣いているのですか」と声を掛けてきました。「僕はずっとインドへ通い続けて、少しは神を信じていると思っていましたが、触れられなかったのです。自分の信仰心のなさに、悲しくて泣いているのです」と答えると、「あなたは成長しようとされているのですね」と言われました。